プロジェクトリポート

マラウイ国産業振興政策アドバイザー業務(第一期) (2020年2月-2021年10月)

 皆さんは一村一品運動についてご存知ですか。一村一品運動は、1980年から大分県の全市町村で始められた地域振興のプロジェクトであり、1979年に当時大分県知事だった平松守彦が提唱し、大分県下の各市町村がそれぞれ1つの特産品を育てることにより、地域の活性化を図りました。マラウイ共和国では、2003年に当時の大統領が第三回アフリカ開発会議に併せて来日し、大分県において一村一品運動を視察したことから、同年マラウイ国内でも政府内に一村一品(OVOP)事務局を設置し、国家プログラムとして取り組みを始めました。JICAは2005年度以来、技術協力プロジェクトを開始し、2017年まで支援していました。マラウイがアフリカで一村一品を始めたといっていいほど、象徴的なプロジェクトでした。

 

OVOP製品を売っているアンテナショップ

 

 本件はこの有名なプロジェクトの後継とされており、実際OVOPの現状についても調査しましたが、実は農産品バリューチェーン振興といった、もっと幅の広い産業振興のための情報収集を目的としていました。2021年4月に初めてマラウイを訪問しましたが、正直、この国でいったい何ができるのだろうかと不安になりました。国民一人当たりのGNIでは最貧国の一つであり、農業が盛んと言っても天水に頼った不安定な農業で、農産品も近隣国とほぼ同じで、特にずば抜けて良いというものがありません。お金と人がないのは慣れていますが、(農産品加工の)会社がほとんどない、市場(へのアクセス)がない、競争力がある産品がないというないない尽くしで、最初4月の時点では産業振興のための打ち手が思い浮かびませんでした。

 

素朴なハチミツ(容器は輸入、ラベルは手作り)

 

 ところで、マラウイに限ったことではありませんが、アフリカの食事は意外にいけます。でも、食材の豊富な東南アジアと比べてはいけません。内陸国であるマラウイでも魚も食べられますし、牛肉、鶏肉、野菜と結構いけます。少なくともリロングェ(首都)、ブランタイヤ(商業都市)といった都市ではインド料理、イタリア料理、韓国料理などが食べられます。おいしい食事はいつも出張中の楽しみです。ネットで探したイタリアレストランにいったところ、たまたま会ったイタリア人は、これは本物のイタリア料理ではないと言っていましたが、おいしく頂きました。必ずしもすべての料理人はマラウイ人ではないとは思いますが、レストランでは、皆さんまじめに料理を作っているということでしょう。マラウイ人は美味しいものを作れるのだから、質の良い農産加工品もつくれるのに違いありません。将来に期待しましょう。

 

田舎のイタリアンレストラン?で食べたラビオリ

 

この業務は現状把握を目的としており、7県を訪問して、農業バリューチェーンに関わるにインタビューを行い、農産品バリューチェーンに関する報告書を無事に提出することができました。結論は、地道にこの国に合ったやり方で産業を振興していく他にないということです。この報告書がマラウイの産業の発展に少しでも役に立つことを期待しています。

 

 

コンサルティング第一本部  山本 恵也

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