プロジェクトリポート

タンザニア国中小製造業等育成のための金融促進事業準備調査

本件は、2018年4月より実施されているタンザニアの中小製造業企業育成を目的としたツーステップローンのための円借款事業の準備調査です。本件ではOPMACが共同企業体主幹会社となり、ユニコは構成員として中小企業調査とジェンダー主流化を担当しました。ツーステップローンとは、開発途上国の金融機関に対して、直接あるいは当該国政府を通して資金を供与し、その金融機関がさらに途上国内の中小企業や農業部門などに低金利で貸し出しをする金融のことです。

タンザニアの中小製造業企業は、企業の成長と事業の拡大のために必要な設備投資資金へのアクセスが妨げられている状況にあります。設備投資に銀行融資を利用している企業は、従業員20名未満では9.2%、20名以上99名以下でも28%に過ぎません。また、同国全体の融資規模の5割強を占める三大商業銀行の中小企業向け貸出残高は、総貸付残高のわずか9%にとどまっています。適用金利は20%を超え、大半が1年未満の短期融資です。

こうした現状を踏まえ、低金利の長期融資によって設備投資資金を供給するとともに、事務管理委託金融機関/参加金融機関の中小企業金融の実施能力向上を支援し、中小製造業企業の発展に寄与することが、この円借款事業の目的です。

問題は債権の不良化で、特に事務管理委託金融機関候補の中には、不良債権比率が34%にもなる候補もあることが、大きな障害となっています。かつて日本の銀行の不良債権問題が取り沙汰されたとき、主要銀行の不良債権比率を8%から4%にするということでしたので(現在は2%以下)、この34%がいかにとんでもない数字であることがわかります。

本件は調査団が提案したドラフトファイナルレポートに対するタンザニア政府の対応を待って、本円借款事業の実施についての結論をJICAが出す予定です。ぜひこの事業が実現することで、一社でも多くの「やる気のある企業」が融資を受けて、さらに発展してもらいたいと願っています。

IBRA Contractors CEOのMaida Wasiri氏(右から二人目)と。East Africa Entrepreneur of the Year (2017)として表彰されている。
キリマンジャロ

*本稿は2019年4月に執筆したものです。

コンサルティング第一本部  山本 恵也

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