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ユニコラム

最初の偶然

惜しむべし惜しむべし、得難きは時、逢ひ難きは友なるべし
(世阿弥「西行桜」)

 

コロナ以降、人と人との支え合いを実感することがたくさんありました。
直接会うことをはばかりつつもメールや手紙でお互いを思いあい、
時には言葉を交わさなくても差し入れをしあい。
時には我慢できず「会おうよ!話したいよ!」と。

 

会社の先輩は、自宅の隣町、私が生まれた時から
中学生の頃まで走り回っていた街にお住まいで、
ご自宅でのお茶に誘ってくださいます。
食器が好きな先輩の、王侯貴族さながらのお茶会。
小さいのに元気いっぱいなわんこの、渾身の大・大・大歓迎。

 

別の先輩からは、先日電話を頂きました。
年賀状の、こちらから送るだけのおつきあいでしたが
初めて自宅にかかってきた電話、数十年ぶりの声に「○○さん!?」と思わず叫んだら、
「変わってないね。嬉しいな」と笑われました。

 

同じマンションにお住まいの最古参のご婦人とは
親子ほどの歳の差ですが意気投合、はつらつとなさっていて、
いつも元気をもらっています。マンションの園芸部部長として
植栽管理を引き受けており、さながらターシャ・テューダー
(アメリカの絵本画家・園芸家)のような方です
(コーギーがいたら完璧です)。

 

イメージ画像(photo AC)

 

冷たい雨の降る中を、誕生日おめでとう、とお祝いのケーキを届けに来てくれたり。
今は遠く離れている友達から便りが届いたり。そんな暖かさ。

 

望んで手に入るものではないものがやってくるとき、
私はものすごい倖せ者だなあと感じるのです。
また、それ以上に、この人たちと出会えたという最初の偶然は、
ものすごく幸福なことだなと思うのです。

 

管理本部業務室

M. H.

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