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6月中旬の週末を利用して、久しぶりに高校卒業までを過ごした山口県岩国の実家に帰省してきました。
高校卒業後に上京して以降は海外転勤等も多かったので、数年に一回帰省する程度で、随分と親不孝をしてきたなと反省しきりです。
まだまだ健在とは言え実家の両親も年々弱ってきており、このことが拍車をかけているのかもしれませんが、私も60才を超えて年々望郷の念が強まっているように思います。普段は故郷を意識することはあまりありませんが、帰省にあたって改めて思うと、故郷を詠んだ短歌・俳句や童謡・歌謡曲等のなんと多いことか。。単に経済的な理由だけでなくふるさと納税が広まったのも首肯けます。
今日はここで私の生まれ育った岩国について紹介してみたいと思います。
岩国と言えば皆さん何を思いうかべるでしょうか?
産業としては瀬戸内工業地域の一角をなす石油化学・製紙業、又戦時中に海軍岩国航空隊が廃棄されたことから、軍事都市としての色合いが濃くなり、戦後は航空基地跡地が米海兵隊岩国基地となっています。5月5日の子供の日にはフレンドシップデーとして基地を開放しており、多くの訪問者で賑わいます。
工業、又は基地の街として有名(?)な岩国ですが、何といっても岩国を代表する名勝として錦帯橋(きんたいきょう)があります。岩国から比較的近い宮島(厳島)の陰に隠れがちですが、清流・錦川(にしきがわ)に架かる五連のアーチが美しい木造橋で、岩国の誇る観光スポットとして大勢の観光客が訪れています。
錦帯橋は、日本三大橋名橋の一つとされる日本を代表する橋で、関ヶ原の合戦以降岩国に入封された吉川藩(岩国藩)第3代藩主の吉川広嘉(よしかわ・ひろよし)により、1673年に完成しました。山の頂に築かれた岩国城及びその麓の藩政を担った横山と呼ばれる地区と、錦川に隔てられた下級武士の屋敷との間を結ぶ橋として架橋されました。
岩を組み合わせて作られた4つの橋台と、その橋台を結ぶ5つのアーチ状のそり橋で構成された非常にめずらしい構造の橋です。
橋はアーチ状ですが、直線の木を組み合わせて作られています。構造は現代でも十分に通用する完璧なもので、これが江戸時代に実現されたことは驚きです。
また、春から秋にかけては、屋形船の遊覧船が運航されており、春は岸辺に咲き誇る桜、秋は紅葉をバックに雄大な錦帯橋を船の上から堪能できます。また、夏には鵜飼も開催されており、鵜飼の遊覧船からは漆黒のなかに鵜飼の漁り火に照らされた錦帯橋が楽しめます。
皆様も山口県や広島・宮島にお越しの際は是非ちょっとだけ足を延ばして錦帯橋周辺にもお越しください。あ、雨や雪の日や冬の早朝で霜が降りているときは非常に滑りやすくなりますので、足元にはご注意くださいね。私も小学校へのこの橋を渡って通っていましたが、慌て者で、しょっちゅうすっ転んでいました。。
さて、ここからは私の大好きな日本酒のおはなしを少し。
日本三大酒どころである京都・伏見、兵庫・灘、広島・西条を筆頭に日本全国津々浦々に多くの蔵元がありますが、岩国市にもご多分に漏れず現在5軒の蔵元があり、美味しい日本酒を醸造しています。特に最近は「獺祭(だっさい)」で有名になっていますが、老舗の蔵元の一つとして有名なのが、「五橋(ごきょう)」を醸造している「酒井酒造」。
酒井酒造は錦川下流域の中州にありますが、ここでは超軟水の錦川の伏流水が豊富に取れるため、酒井酒造の特徴は「軟水仕込み」となっています。現在でこそ軟水仕込みの日本酒は多く存在していますが、昔は灘のお酒を筆頭に多くの日本酒が硬水で仕込まれていました。明治時代に広島で「軟水醸造法」は開発されたことにより全国に軟水仕込みの蔵元が広まっていったらしいです。
軟水仕込みはどちらというとまろやかな味わいとなりますが、繊細な味わいと、フルーティで華やかな香りの「五橋」は、キレのある喉ごしで、大変おいしいです。
と、五橋を押してみましたが、今回の帰省時には五橋ではなく、ほぼ地元でしか手に入らない「金雀(きんすずめ)」をいただきました。こちらは錦川を遡った錦町という地区の蔵元で醸造していますが、酸味とキレの均整がとれている上品さをまとったお酒です。
他にも、「雁木(がんぎ)」、「黒松(くろまつ)」等の美味しいお酒もありますので、岩国にお越しの際は是非ご堪能下さい。